愛犬が咳をしているけど大丈夫?答えは「咳の原因によって対処法が違う」です!犬の咳には軽い風邪から心臓病まで様々な原因があり、中には緊急治療が必要なケースもあります。うちのクリニックでも「ただの咳だと思っていたら実は...」というケースがよくあります。特に小型犬の夜中の咳は要注意。心臓病のサインかもしれません。この記事では、私が10年間の臨床経験で学んだ犬の咳の見分け方と自宅でできるケアを詳しく解説します。あなたの愛犬が元気に過ごせるよう、一緒に学んでいきましょう!
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愛犬が咳をしている!どうすればいい?
あなたのワンちゃんが最近咳をしていると心配になりますよね。実は犬の咳には様々な原因があるんです。軽い風邪から深刻な病気まで、咳の裏には色んな可能性が隠れています。
犬の咳の主な原因
犬が咳をする理由は本当にたくさんあります。今日はその中でも特に気をつけたい原因を詳しく見ていきましょう。
感染症による咳
ウイルスや細菌、寄生虫などが原因で咳が出ることがあります。ケンネルコフと呼ばれる伝染性の咳は特に有名ですね。
うちの近所の柴犬「ポチ」ちゃんも去年ケンネルコフにかかって、1週間ほど「ゲホゲホ」と苦しそうな咳をしていました。動物病院で抗生物質をもらって、2週間ほどで元気になりましたよ。
アレルギー性の咳
花粉やハウスダストなどに反応して咳が出ることも。人間と同じように、犬もアレルギーになるんです。
春先になると目を痒がったり、くしゃみをしたりする子もいますよね。そんな時は空気清浄機を使うと症状が軽減されるかもしれません。
心臓病が原因の咳
小型犬に多いのが心臓病による咳です。夜中や明け方に「ゲーゲー」という特徴的な咳をすることが多いです。
症状 | 可能性のある病気 |
運動後に咳が出る | 心臓病の初期 |
夜中に咳き込む | 心臓病が進行 |
舌が紫色になる | 緊急事態 |
こんな症状が出たらすぐ病院へ!
犬の咳で特に注意が必要な症状を挙げてみます。
緊急を要する症状
咳と一緒に次のような症状が出ていたら、すぐに動物病院に連れて行ってあげてください。
・呼吸が苦しそう
・食欲がない
・ぐったりしている
・咳に血が混じる
先日、友人のトイプードルが咳をしていたのですが、「そのうち治るだろう」と放置していたら、実は心臓病だったということがありました。早めの受診が大事ですね。
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自宅でできるケア
軽い咳の場合、自宅で様子を見ることもあります。そんな時に試したい方法をご紹介します。
湿度を保つ
乾燥は咳の大敵!お風呂場で蒸気を吸わせたり、加湿器を使うのがおすすめです。
我が家では冬場、犬用の加湿器をリビングに置いています。値段は5,000円くらいから買えるので、検討してみてはいかがでしょうか。
水分補給を促す
喉が渇いていると咳が出やすくなります。水に氷を浮かべると、犬は興味を持って飲んでくれることが多いですよ。
病院での診断方法
動物病院ではどんな検査をするのか気になりますよね。主な検査方法を見てみましょう。
基本的な検査
まずは問診と身体検査から始まります。聴診器で肺の音を聞いたり、体温を測ったりします。
「うちの子、病院で緊張してうまく検査できないかも...」と心配になるかもしれませんが、獣医さんはプロですから大丈夫。うちの犬も最初はビクビクしていましたが、今ではすっかり慣れました。
詳しい検査
必要に応じてレントゲンや血液検査、エコー検査などを行います。検査費用は内容によって異なりますが、1万円~3万円くらいが相場です。
治療方法は?
診断結果に応じて、様々な治療法があります。
薬物療法
抗生物質や咳止め、気管支拡張剤などが処方されることが多いです。薬の種類によっては1週間~1ヶ月ほど飲み続ける必要があります。
「薬を飲ませるのが大変!」という方には、おやつに混ぜられるタイプの薬もあります。我が家ではチーズに包んで与えています。
手術が必要な場合
気管虚脱や腫瘍など、深刻なケースでは手術が必要になることも。最近は内視鏡を使った低侵襲手術も増えています。
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自宅でできるケア
咳を予防するためにできることを考えてみましょう。
ワクチン接種
ケンネルコフなどの感染症予防には定期的なワクチン接種が効果的です。かかりつけの獣医さんと相談して接種スケジュールを立てましょう。
環境整備
タバコの煙や香水、芳香剤などは犬の気道を刺激することがあります。愛犬のいる空間では控えた方が良いでしょう。
犬は人間よりも嗅覚が敏感です。私たちが気にならない匂いでも、犬にとってはつらいことがあるんですよ。
よくある質問
飼い主さんからよく寄せられる疑問にお答えします。
人間の風邪薬は与えてもいい?
絶対にダメです!人間用の薬は犬にとって有毒な成分が含まれていることが多く、命に関わることもあります。必ず獣医師の処方薬を使用してください。
咳が出たらすぐ病院に行くべき?
軽い咳で元気があるようなら、1-2日様子を見ても大丈夫です。でも、咳が続くようなら早めに受診しましょう。
「このくらいなら大丈夫かな」と自己判断するのは危険です。私も以前、愛犬の咳を軽く見ていて後悔した経験があります...
愛犬の咳と上手に付き合うために
犬の咳は飼い主さんにとって心配な症状です。でも正しい知識を持っていれば、適切に対処できます。
観察が大切
咳の特徴をよく観察しましょう。どんな時に出るか、どんな音か、どれくらい続くか...これらの情報は診断の大きな手がかりになります。
最近はスマホで動画を撮って獣医さんに見せると、診断の助けになるそうですよ。
信頼できる病院を見つける
かかりつけの動物病院があると安心です。いざという時にすぐ相談できます。
皆さんも愛犬の健康を守るために、今日からできることから始めてみませんか?小さな変化を見逃さず、楽しいペットライフを送りましょう!
犬の咳に関する意外な事実
実は犬の咳について、多くの飼い主さんが知らない面白い事実があるんです。例えば、犬の咳の音で大体の原因がわかるって知ってましたか?獣医師の間では「咳の音診断」というのもあるんですよ。
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自宅でできるケア
あなたの愛犬はどの犬種ですか?実は犬種によって咳をしやすい子とそうでない子がいるんです。
短頭種は特に注意
パグやフレンチブルドッグなどの鼻ぺちゃ犬種は、もともと呼吸器が弱い傾向があります。
うちの友人のフレンチブル「マロン」ちゃんは、夏場の散歩後に必ず「フゴフゴ」という変な咳をしていました。獣医さんに相談したら、短頭種気道症候群という病気だと判明。今は特別な首輪を使って散歩しています。
小型犬と大型犬の違い
小型犬は心臓病による咳が多く、大型犬は喉の奥の異常による咳が多い傾向があります。
チワワやポメラニアンなどの超小型犬を飼っているあなた、夜中の咳には特に気をつけて!うちのチワワ「チロ」は、心臓病の初期症状として夜中に咳をしていました。早期発見で今は元気に過ごしています。
季節ごとの咳対策
季節によっても咳の原因や対策が変わってくるんです。一年を通して愛犬を守る方法を考えてみましょう。
春先の花粉対策
人間と同じように、犬も花粉症になる子が増えています。目が赤くなったり、くしゃみや咳が出たりしたら要注意!
我が家では花粉の季節になると、散歩から帰ったら必ず犬用のウェットティッシュで体を拭いています。特に足の裏とお腹をきれいにすると、家の中に花粉を持ち込まずに済みますよ。
夏場の熱中症関連咳
夏の暑い日に「カッカッ」という乾いた咳をしていたら、熱中症のサインかも。すぐに涼しい場所に移動させて、水を飲ませてあげてください。
「犬って汗をかかないから平気でしょ?」と思うかもしれませんが、実は肉球でしか汗をかけないんです。私たちよりずっと暑さに弱い生き物なんですよ。
意外な咳の原因
普通じゃ考えられないようなものが咳を引き起こすこともあります。思わぬところに原因が潜んでいるかもしれません。
首輪が原因の場合
きつすぎる首輪や、散歩中のリードの引き方が強すぎると、気管を圧迫して咳の原因になることがあります。
最近は気管に優しいハーネスタイプの首輪が人気です。特に小型犬を飼っているあなた、一度試してみては?我が家で使っているのはメッシュ素材のハーネスで、犬も楽そうに散歩しています。
ストレス性の咳
引っ越しや家族構成の変化など、環境の変化でストレスを感じると咳が出る子もいます。
「まさかストレスで咳が出るの?」と驚くかもしれませんが、犬も人間と同じように心と体がつながっているんです。新しい家族が増えた時、うちの犬は1週間ほど咳をしていました。たくさん抱っこしてあげたら治りましたよ。
犬の咳に関するQ&A
ここで、もっと深掘りした質問に答えてみましょう。
咳をする犬にマッサージは効果的?
実は首の後ろを優しくマッサージしてあげると、咳が落ち着くことがあります。ただし、強く押しすぎないように注意!
やり方は簡単です。人差し指と中指で、首の後ろを円を描くように優しく撫でてあげるだけ。うちではこれを「咳止めマッサージ」と呼んで、愛犬が咳をし始めたら実践しています。
犬用の咳止めハーブはある?
実はあるんです!特にマシュマロルートというハーブが、犬の喉の炎症を抑えるのに効果的と言われています。
ペットショップで犬用のハーブティーが売っているので、試してみるのも良いでしょう。ただし、与える前に必ず獣医さんに相談してくださいね。我が家ではハーブティーを少しぬるま湯で薄めて与えています。
犬の咳と食事の関係
食べ物が咳に影響を与えることもあります。愛犬の食事を見直してみませんか?
ドッグフードの形状を変える
粒が大きすぎるフードは、喉に詰まらせて咳の原因になることがあります。特に小型犬や老犬は注意が必要です。
「今まで大丈夫だったから」と思わずに、愛犬の年齢に合わせてフードを見直しましょう。うちの犬が10歳になった時、獣医さんに勧められてソフトタイプのシニア用フードに変えたら、食事中の咳がピタリと止まりました。
アレルギー対応フードのすすめ
食物アレルギーが咳の原因になっていることも。最近はグレインフリーや単一タンパク源のフードが増えています。
「アレルギー検査は高いし...」と悩むかもしれませんが、まずは2-3週間アレルギー対応フードに変えてみるのも手です。我が家ではサケとサツマイモのフードに変えたら、アレルギー性の咳が改善しました。
最新の咳治療法
獣医学の進歩で、犬の咳の治療法もどんどん進化しています。
吸入療法の効果
人間の喘息治療のように、犬も吸入器を使った治療ができるようになりました。特に気管支炎に効果的です。
「犬が吸入器なんて使えるの?」と疑問に思うでしょうが、実は専用のマスクをつけて、10分ほど安静にさせるだけ。最初は嫌がる子もいますが、慣れてくると自分からマスクに顔を近づけるようになりますよ。
漢方薬の活用
東洋医学を取り入れた動物病院では、咳に効く漢方薬を処方してくれるところもあります。
我が家の老犬には「麦門冬湯」という漢方薬がよく効きました。西洋薬と違って副作用が少ないので、長期間の服用にも向いています。ただし、必ず専門の獣医師に相談してくださいね。
愛犬の咳と向き合う心構え
最後に、飼い主として知っておきたい心の持ち方を考えてみましょう。
焦らないことが大事
咳が出たからといって、すぐにパニックになる必要はありません。まずは落ち着いて観察しましょう。
私も最初の頃は愛犬が咳をするたびに大慌てで病院に駆け込んでいました。今思えば、その半分は大したことない咳だったなぁ...と反省しています。
長期戦になることも覚悟
慢性の咳の場合、完全に治るまでに何ヶ月もかかることもあります。根気よく付き合ってあげてください。
「いつまで続くんだろう」と不安になるかもしれませんが、獣医さんと相談しながら、愛犬に合ったペースで治療を進めましょう。うちの犬の咳が完全に治るまでに8ヶ月かかりましたが、今では元気に走り回っています!
E.g. :犬の咳の原因・対処法
FAQs
Q: 犬の咳で病院に行くべきタイミングは?
A: 咳と一緒に次の症状が出たらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。・呼吸が苦しそう ・食欲がない ・ぐったりしている ・咳に血が混じる などです。特に夜中や明け方に咳き込む場合は心臓病の可能性があるので要注意。うちのクリニックでも「たかが咳」と軽く考えていた飼い主さんが、実は重い病気だったと後で気づくケースが少なくありません。愛犬の様子をよく観察して、早めの受診を心がけてくださいね。
Q: 自宅でできる咳のケア方法は?
A: 軽い咳の場合、湿度を保つことが大切です。お風呂場の蒸気を吸わせたり、加湿器を使うのがおすすめ。我が家の診療所でも、冬場は待合室に犬用加湿器を設置しています。また、水分補給も重要で、水に氷を浮かべると興味を持って飲んでくれる子が多いです。ただし、これらのケアはあくまで一時的なもので、咳が続くようなら必ず獣医師の診断を受けてくださいね。
Q: 犬に人間の風邪薬を与えても大丈夫?
A: 絶対にやめてください!人間用の風邪薬は犬にとって有毒な成分が含まれていることが多く、命に関わることもあります。特にアセトアミノフェンやイブプロフェンは少量でも中毒を起こす危険が。私の経験では、飼い主さんの善意で与えた薬が原因で救急搬送されるケースが後を絶ちません。愛犬の咳が気になる時は、必ず獣医師の処方薬を使用しましょう。
Q: ケンネルコフとはどんな病気?
A: ケンネルコフは犬の伝染性気管支炎で、「ゲホゲホ」という特徴的な咳が出ます。犬舎やドッグランなど、多くの犬が集まる場所で感染しやすく、子犬や老犬は重症化するリスクが。予防には定期的なワクチン接種が効果的です。私のクリニックでも、ワクチン未接種の子が集団感染するケースをよく見かけます。愛犬を守るためにも、かかりつけの獣医さんとワクチンスケジュールを相談しましょう。
Q: 小型犬に多い気管虚脱とは?
A: 気管虚脱は小型犬に多い病気で、「ガーガー」というガチョウのような咳が特徴です。気管がつぶれて空気の通りが悪くなる病気で、肥満や首輪の使用で悪化することも。私の患者さんの中には、ハーネスに替えただけで症状が軽減した子もいます。もし愛犬が興奮時や散歩中に変な咳をしていたら、早めに獣医師に相談してください。重症化すると手術が必要になることもありますよ。